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要素

切りさく痛みはなかった。ふと手をやり、小さく穴があいていることに気づいたのだ。
傷ではない。皮膚のふちどりのされた穴。少しずつずつたどりながら、
中にある棘を探した。無機質ななにかが見えた。同時に、穴から炭酸を含んで
青く膿がでて、体外で次々に固まった。ひからびたスポンジに似ている。
指には液体の残像が青く残る。
水分を失った固形物は、指で触るとばらばらとほどけるように散った。
穴に視点が動く。膿がたまっていた部分の、余った皮膚が息をついてしぼむ。
その先に、なにか分からない、でも大きなものが出てくる予感がする。
動きを止められず、異物にとりかかる。先端が穴のほうへたぐりよせられ、姿を見せる。
血もでない。痛みもあるはずなのにない。
何かがおかしいとわたしの常識が言う。でも何がおかしいのか。
おかしいということは、ここで引き返すべきということなのか。
それでも、後にはひけないことを悟れば、あとはもう貪るだけだ。
力をゆるめない。手を離さない。
するすると、完璧に透明なものが見える。視覚の驚きがあるが、なすすべもない。
ただ無抵抗に凝視する。先端を斜めに切り落とされた、ペンほどの長さの物体が出てくる。
甘皮押しだ、と思う。そんなものを熱心に使うことはないというのに。
何の分泌物も構成要素もまとわず、くぐりぬけたものを一切感じさせない、
しがらみのない物体を手に、見上げると、「出てきた?」と上司が言う。
悲鳴はいつも声にならない。


【2009/06/01 01:14】 | Journalとか | トラックバック(0) | コメント(0)
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